日本代表W杯初陣!日本対アルゼンチン

フランスワールドカップ グループH グループステージ第1節
 1998年6月14日 スタッド・ドゥ・トゥールーズ

 

 

日本代表 JAPAN

GK 20 川口 能活
    Yoshikatsu KAWAGUCHI
DF 04 井原 正巳
    Masami IHARA
DF 17 秋田 豊
    Yutaka AKITA
DF 19 中西 永輔
    Eisuke NAKANISHI
MF 02 名良橋 晃
    Akira NARAHASHI
MF 03 相馬 直樹  84′
    Naoki SOMA
MF 06 山口 素弘
    Motohiro YAMAGUCHI
MF 08 中田 英寿
    Hidetoshi NAKATA
MF 10 名波 浩
    Hiroshi NANAMI
FW 09 中山 雅史  65′
    Masashi NAKAYAMA
FW 11 城 彰二
    Shoji JO
     
監督   岡田 武史
    Takeshi OKADA
     
FW 12 呂比須 ワグナー  65′
    Wagner LOPES
MF 22 平野 孝  84′
    Takashi HIRANO
     
     



アルゼンチン代表 ARGENTINA

GK 01 カルロス・アンヘル・ロア
    Carlos Angel ROA
DF 02 ロベルト・ファビアン・アジャラ
    Roberto Fabian AYALA
DF 06 ロベルト・ネストル・センシーニ
    Roberto Nestor SENSINI
DF 14 ネルソン・ダヴィド・ヴィヴァス
    Nelson David VIVAS
MF 22 ハヴィエル・アデマール・サネッティ
    Javier Adelmar ZANETTI
MF 05 マティアス・ヘスス・アルメイダ
    Matias Jesus ALMEYDA
MF 08 ディエゴ・パブロ・シメオネ・ゴンサレス
    Diego Pablo SIMEONE Gonzalez
MF 11 ファン・セバスティアン・ヴェロン
    Juan Sebastian VERON
MF 10 アリエル・アルナルド・オルテガ
    Ariel Arnaldo ORTEGA
FW 07 クラウディオ・ハヴィエル・ロペス
    Claudio Javier LOPEZ
FW 09 ガブリエル・オマール・バティストゥータ
    Gabriel Omar BATISTUTA
     
監督   ダニエル・アルベルト・パサレラ
    Daniel Alberto PASSARELLA
     
DF 18 アベル・エドゥアルド・バルボ  61′
    Abel Eduardo BALBO
DF 03 ホセ・アントニオ・チャモ  72′
    Jose Antonio CHAMOT
     
     



ジョホールバルの歓喜から7か月。日本代表のワールドカップ初戦の舞台はスタッド・ドゥ・トゥールーズで、収容人数は約3万人強という比較的小規模なスタジアムで行われることとなった。日本からはワールドカップ初戦を見ようと多くの観光客がツアーで訪れたが、観戦チケットが確保できないとなど、多くのトラブルに見舞われることとなったが、スタジアムは日本サポーターが大多数を占める、ホームさながらの雰囲気だった。

日本代表の岡田武史監督は、グループステージの目標を「1勝1分1敗」と設定して物議を醸したが、優勝候補に挙げられるアルゼンチンとのワールドカップ初戦であれば、勝ち点を獲れれば言う事なし、最少得点差での敗戦も許容範囲と考えるのは妥当だっただろう。(公表することの是非は置いておくとして)
一方のアルゼンチン代表は86年メキシコワールドカップで優勝、90年イタリアワールドカップでは準優勝したものの、94年アメリカワールドカップではエース・マラドーナのドーピング違反による大会追放の影響を受け、決勝トーナメント1回戦で敗退。今大会は脱・マラドーナで優勝を目指す重要な大会となった。

試合が始まると、日本は前線の中山、中盤の中田、左サイド相馬の攻撃力を活かしてチャンスを作り出すものの、決定機には至らず。ゴール前で得た絶好の位置でのFKも中田のシュートは大きく枠を外れる。一方のアルゼンチンは前線の3人が流動的に連携してチャンスを作る。

そして前半28分、オルテガからシメオネへ、そしてシメオネからオルテガへのパスはコースがずれたものの、ディフェンスに入っていた名波の右足に当たったボールは不運にも、最前線で最も危険な男であるバティストゥータへの絶好のパスとなってしまう。
胸でワントラップしたバティは飛び出してきた川口の動きを冷静に見極め、代名詞とも言える強烈なシュートではなく、わずかに浮かせた技ありのシュートであっさりとゴールネットを揺らした。

38分にはシメオネの左サイドからのクロスボールをバティストゥータがヘディングシュート、右ポストに当たって跳ね返ったボールを今後はクラウディオ・ロペスがダイビングヘッドで狙うが、これは川口の守備範囲内で事なきを得た。その後は決定機こそ作られなかったものの、アルゼンチンが優勢にゲームを進めて前半を終えた。

後半もアルゼンチンの優位は変わらず。日本ゴール前でのファウルによるFKも増え始め、ヴェロンの直接FK、バティストゥータのFKのこぼれ球をオルテガがゴール前で拾い、決定的なシュートを放つが、いずれも川口がセーブ。

日本は後半32分に中田の早いリスタートからのスルーパスで名良橋がディフェンスライン裏へ抜け出すものの、ダイレクトで放ったシュートは大きく枠を逸れ、チャンスには至らず。37分にはCKの流れから山口のパスをファーサイドの秋田がヘディングで折り返し、相馬が飛び込むものの僅かに合わせられず。
試合を通して日本最大のチャンスが訪れたのは後半45分、中西が右サイドでアルゼンチンDF2人をドリブルでぶち抜き、グラウンダーのクロス。これを呂比須が合わせたシュートは枠内に飛んでいたが、チャモにブロックされてしまい、ゴールとはならなかった。

結局試合は0-1でアルゼンチンの勝利。日本のワールドカップ初戦は黒星スタートとなった。
日本もアルゼンチンに通用する部分は随所に見られたものの、一つ一つのプレー精度、特にシュート精度が非常に低く、試合を通してみれば得点の臭いを感じられないゲームだった。日本のワールドカップ初ゴールは、もう少し先の試合となる。

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