中田英寿セリエAデビュー戦!ペルージャ対ユヴェントス
セリエA 1998/99シーズン 第1節
1998年9月13日 スタディオ・レナート・クーリ
ペルージャ PERUGIA
GK | 01 | アンジェロ・パゴット |
Angelo PAGOTTO | ||
DF | 24 | セアン・ソリアーノ■ |
Sean SOGLIANO | ||
DF | 14 | サルヴァトーレ・マトレカーノ |
Salvatore MATRECANO | ||
DF | 15 | マルティン・リヴァス |
Martin RIVAS | ||
DF | 23 | アンドレア・スッシ■ |
Andrea SUSSI | ||
MF | 25 | ジャンルカ・ペトラーキ ▼ 90’+2′ |
Gianluca PETRACHI | ||
MF | 18 | アントニオ・マニコーネ ▼ 46′ |
Antonio MANICONE | ||
MF | 21 | セルジオ・カンポーロ■ |
Sergio CAMPOLO | ||
MF | 11 | ミラン・ラパイッチ |
Milan RAPAIC | ||
MF | 07 | 中田 英寿 |
Hidetoshi NAKATA | ||
FW | 09 | サンドロ・トヴァリエリ■ ▼ 74′ |
Sandro TOVALIERI | ||
監督 | イラリオ・カスタニェル | |
Ilario CASTAGNER | ||
MF | 10 | アントニーノ・ベルナルディーニ ▲ 46′ |
Antonino BERNARDINI | ||
FW | 17 | アレッサンドロ・メッリ ▲ 90’+2′ |
Alessandro MELLI | ||
FW | 19 | トミスラフ・エルチェグ ▲ 74′ |
Tomislav ERCEG |
ユヴェントス JUVENTUS
GK | 01 | アンジェロ・ペルッツィ |
Angelo PERUZZI | ||
DF | 15 | アレッサンドロ・ビリンデッリ■ |
Alessandro BIRINDELLI | ||
DF | 19 | イゴール・トゥドル |
Igor TUDOR | ||
DF | 13 | マルク・ユリアーノ ▼ 48′ |
Mark IULIANO | ||
DF | 17 | ジャンルカ・ペッソット■ |
Gianluca PESSOTTO | ||
MF | 20 | アレッシオ・タッキナルディ |
Alessio TACCHINARDI | ||
MF | 14 | ディディエ・デシャン |
Didier DESCHAMPS | ||
MF | 26 | エドガー・ダーヴィッツ■ |
Edgar DAVIDS | ||
MF | 21 | ジネディーヌ・ジダン ▼ 24′ |
Zinedine ZIDANE | ||
FW | 09 | フィリッポ・インザーギ |
Filippo INZAGHI | ||
FW | 10 | アレッサンドロ・デル・ピエロ ▼ 67′ |
Alessandro DEL PIERO | ||
監督 | マルチェロ・リッピ | |
Marcello LIPPI | ||
DF | 03 | ゾラン・ミルコヴィッチ■ ▲ 48′ |
Zoran MIRKOVIC | ||
MF | 07 | アンジェロ・ディ・リーヴィオ ▲ 67′ |
Angelo DI LIVIO | ||
FW | 11 | ダニエル・フォンセカ ▲ 24′ |
Daniel FONSECA |
フランスワールドカップで日本代表としてプレーし、日本をワールドカップ初勝利に導くことは叶わなかったものの、クロアチア戦でのドリブル突破から中山へのスルーパスなど随所で違いを見せつけた中田英寿は、同年7月にベルマーレ平塚からイタリア一部リーグセリエAのA.C.ペルージャへ完全移籍した。
日本人選手がセリエAでプレーするのはカズ(ジェノア)以来2人目であったが、ポジションの違いもあろうが、カズはお世辞にも活躍できたとは言えなかったことから、イタリア国内でも活躍には懐疑的、日本のスポンサーや観光客目当てでの獲得との見方もあったようだ。
そのような中で迎えたセリエA開幕戦。ペルージャの相手はデル・ピエロやジダンを要し、2年連続のスクデット、そして3年連続でのUEFAチャンピオンズリーグ決勝進出(うち1回は優勝)という抜群の成績を収めていたユヴェントスだった。
昇格組対王者の対戦は、悪天候でぬかるんだピッチのレナート・クーリで行われたが、前半からユヴェントスがその違いを見せつける。
ジダンが早々に負傷交代するというアクシデントに見舞われたものの、前半23分にはまだ距離のあるところで得たFKをデル・ピエロがずらし、ダーヴィッツが強烈なミドルシュートを打ち込むと、パゴットは止めきることができず、ユヴェントスが先制点を奪った。
32分にはデル・ピエロのCKをトゥドルが下がりながらの難しい体勢からヘディングシュートで追加点を挙げると、45分には左サイドから切り込んできたペッソットが右足で豪快なミドルシュートを叩き込んで、3-0。試合に事実上の決着をつけた。
しかしながら、中田個人のプレーを見ると、フィジカルの強さを活かしたドリブル突破やパスであわやのシーンを何度か作り出しており、ペルッツィの正面を突いてしまったが、ペトラーキのクロスをドンピシャのヘッドで合わせるシーンもあるなど、今後の活躍を十分に期待させる出来だった。
その「今後」は早くもこの試合の後半に訪れる。
52分、ライン際でボールを残したペトラーキが右サイドを突破して縦パスを送ると、中田がペナルティエリア内へ侵入し、右足を振り抜く。ボールはペルッツィのニアサイドを破って記念すべきセリエA初ゴールをデビュー戦で決めることに成功した。
それだけでは終わらない。59分にはCKをマトレカーノが頭で合わせたボールが高く上がると、ペルッツィが片手でパンチング。雨の影響もあったか、大きくクリアできずゴールエリア先にこぼれたボールを中田が右足で叩くと、ユヴェントスDF陣の間をすり抜け、ワンバウンドでゴールに吸い込まれた。
1点差にまで詰め寄ったことによりスタジアムの盛り上がりも最高潮を迎えるが、その6分後にはまたしてもデル・ピエロのCKから中央で完全にフリーとなっていたフォンセカが倒れこみながら左足ボレーで合わせ、あっさりと2点差に引き離されてしまう。
食い下がるペルージャは、88分にラパイッチの左サイドからの突破をペッソットにエリア内で倒されて得たPKをベルナルディーニが落ち着いて左隅に決め、再度1点差に詰め寄る。
しかし反撃もここまで。4点を奪ったユヴェントスがアウェーでペルージャを下し、開幕白星スタートとなった。
王者ユヴェントスを追い詰めたペルージャは、その後は中田やラパイッチの活躍で(最終節までもつれたものの)セリエA残留を果たすこととなった。一方、ペルージャに苦戦を強いられたユヴェントスは、エースのデル・ピエロがシーズン途中で大怪我を負ったことも影響し、6位という不甲斐ないシーズンを送ることになる。